第89章 ★ 涙 ★ 夢主視点 ★ ① ★
「過去って大事なのは分かるんだよ…私の過去…木の葉での生活は、悲しい事が多すぎた」
ロー)「…」
「私、余裕なかった…余裕があるフリしてた…もっと周りに目を向ければ良かった…もっと、色んな事を目に焼きつければ良かった…私の記憶での…思い出せる木の葉での記憶は…悲しい景色に見えるの…もう帰れないから…私の中の木の葉は…悲しい物になってる…」
いつの間にか私の目には涙が溜めていた
いつからだろう
視界がボヤけて
…口も…開いたら止まらない…
「…だから、疲れてたんだ…私…疲れてて…体も、心も…ずっと逃げたくて…」
ロー)「…」
「…分かんなくなっちゃった…私、何がいいのか…何を思いたいのか…分かんなくなっちゃった…」
声が…震える
木の葉の事を思うと…涙が止まらない
ローは何も言わずにローの服の袖で涙を拭いてくれた
体の力を抜けて…ローに体を預けた
「…ろ、ぉ…」
ロー)「…なんだ?」