「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第1章 プロローグ
U-17合宿所(アンダーセブンティーンがっしゅくじょ)でいつものようにサーキットトレーニングを終えた時間のことでした。
中学生の参加者全員でコートやコートの周りを掃除していました。
「ずりーよなー、高校生だけ」
掃き掃除をしていた切原赤也が愚痴を言います。
「仕方ないやろ。ミーティングなんやし」
白石蔵ノ介がちりとりを持って切原の掃いたゴミを回収し、ゴミ袋に捨てました。
「おい、こっちにちりとり」
跡部景吾が近くにいた樺地崇弘に声を掛け、
「ウス。ピヨッ」
樺地は返事をし、ちりとりを持って来ます。と、思いきや、仁王雅治が正体を現し、舌を出していました。少年はイリュージョンを使って跡部を騙したようです。
「仁王、てめえ…」
跡部は両目を閉じ、笑いながら怒った口調でいました。本物の樺地の方は、今ちりとりを持って来て首を傾げていたのでした。
少年たちから離れたところで丸井ブン太は、その辺に落ちていたボールを拾っていました。それをかごの中に入れて片付けます。
「向こうの方にもボールがいっぱい落ちてるな」
丸井はコートの外側に落ちていたボールを拾いに行こうと走りました。すると、縮地法で移動してきた木手永四郞とぶつかってしまいます。