【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第24章 Dawn20.動物と絆-真実-
斑「血の涙を流しながら感情の一切を殺して、里のために同胞を殺しまくった男が……どうしてもお前を殺せなかった…。その意味がお前にわかるか?」
マダラはサスケへと振り返る。
サスケは呆然としながらただぼんやりとしたように、その眼差しをマダラに向けている。
斑「………あいつにとって、お前の命は―――――…
里よりも重かったのだ」
マダラの声が木霊が返ってきそうな程、異様に響き渡る。
それはサスケの鼓膜を揺らし、幾度となく頭の中でリピートする。
斑「あいつは倒れる間際まで…お前に新しい力を授けるために――…
お前に倒されることで、うちは一族の仇を討った英雄に、お前を仕立て上げるために――…
病に蝕まれ、己に近付く死期を感じながら薬で無理に延命してでも――…
死ぬことを覚悟し――…
お前の前で死ぬと心に誓い――…
お前と戦わねばならなかった…」
佐「………」
斑「木ノ葉の里の………"平和"のため――…
そして、何より愛する弟"うちはサスケ"――…
お前のために、犯罪者として、裏切り者として、死んでいくことを望んだ――…
名誉の代償に汚名を、愛の代償に憎しみを受け取り――…
それでもなお、イタチは笑顔をお前に向けた――…
弟のお前に真実を知らせず、お前をずっと騙し続けたまま………」
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