【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第23章 Dawn19.動物と絆-偽幻-
二人は木々が生い茂る方へと歩き出す。
森林の中は赤々とした木々の葉で遮られ、雨粒は入ってこないものの霧が濃い。
鼬「……すまない」
鬼「なぜ謝るんです?」
鬼鮫は不思議そうな顔をして立ち止まった。
しかし、イタチは何も言わずうつむいたまま先を歩いていく。
鬼「………」
鬼鮫はフッと笑ってイタチの後を追うようにまた歩き出した。
鬼「いいんですよ。一人で行かせてくれと行ったのは私です」
今回、老紫―…四尾を狩ったのは鬼鮫一人。
鬼鮫がそうしたのは、イタチの日に日に弱っていく身体が心配だったから。
それをわかっているであろうイタチだからこそ、鬼鮫は彼が尚更自分に気を遣っているのだとわかっていた。
鬼「あまり気になさらないで下さい」
イタチは人知れず、その言葉に目を閉じて微笑んだ。
鬼「まぁ、少し疲れましたがね」
鬼鮫はイタチの隣まで来ると小さく笑った。
鼬「だが、これからまだ封印がある」
鬼「そうですねぇ。もう尾獣もあと数匹…。九尾は最後に封印しなければならないと決められている…」
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