【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第23章 Dawn19.動物と絆-偽幻-
ポツ―… ポツ―…
ゴロゴロゴロ―――…
鬼「少し降ってきましたね」
鼬「荒れそうだな…」
イタチと鬼鮫は崖の近くで、灰色の暗い空を見上げていた。
そこは、紅葉で赤や黄に染まった森に囲まれている。
さっきまで小降りだった雨はかなり降り始め、遠くの方から雷の唸り声も聞こえてくる。
鬼「木陰で雨をしのぎましょう。身体が冷えますよ」
肌寒くなったこの秋真っ盛りに降る雨はなかなか冷たい。
鼬「あぁ…」
イタチは鬼鮫の方に振り返って頷く。
そんな会話をし終える頃には、雨はコートを充分濡らす程激しくなっていた。
鬼鮫は、地面にうつぶせになっている初老の男―…"老紫"を鮫肌でグイッと持ち上げ、肩に担いだ。
老紫はぐったりとしたままピクリとも動かない。
鼬「死にそうだな」
イタチはそんな老紫を見て呟く。
鼬「年寄りは丁重に扱え」
鬼「平気ですよ、イタチさん。"四尾"の熔遁を使うこの人柱力はそんなタマじゃないですよ」
イタチは鬼鮫をたしなめたが、当の本人は全く気にかけていない。
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