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【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】

第20章 Dawn16.自尊と涙





鼬「…お前には敵わないな」


イタチは小さな声で呟いた。


鼬「俺は…お前のようにはきっと言えない」


イタチは眉を下げて複雑そうに微笑みを浮かべた。


鼬「お前はもう俺の眼に負けてなどない。強い心と信念を持った…一人の"芸術家"だ」


瞬間、デイダラの心臓が大きく揺れた。



デイダラがずっと待ち焦がれていた言葉――…

それは、"謝罪"や"勝利"といったものではなかった。


"一人の芸術家として認めてもらうこと"――…

それこそが本当にデイダラが欲しかった"称賛"だった。


芸術家として見てくれた――…

芸術に目を向けてくれた――…

ただそれだけで良かった。


泥「イタチ…」


デイダラの長年の努力が報われた瞬間だった。

目に涙が浮かぶ。


泥「イタチ、ごめんな……ありがと…っ、ゔんっ」

鼬「泣くな、デイダラ…」


イタチはデイダラの隣に座ると、まるで兄のように背中に手を添えてくれた。

デイダラは涙を袖でゴシゴシ拭いてまた笑顔に戻る。


デイダラはこういう本当の兄のような面倒見のいいイタチは嫌いじゃない。

むしろ兄弟のいないデイダラにとって、いてくれるだけで嬉しい憧れの存在だった。


鼬「そういえば…」


イタチは何かを思い出したかのように懐をあさる。


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