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【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】

第20章 Dawn16.自尊と涙





サソリはフゥ…と息を吐く。


蠍「お前…俺や鬼鮫と一緒にデイダラを"暁"に勧誘しに行った日を覚えてるか?」


イタチは顔を上げると、静かに頷いた。


蠍「あの時…お前はデイダラと戦い、呆気なく勝利した。だから、あいつはここにいる。だが、言い換えれば、あいつはお前に"負けたから"ここにいる…。あの戦いは俺から見ても、デイダラの"完璧な敗北"だった。しかも、デイダラにとっては、それが初めての完敗だったらしい。そして、その敗北の理由はお前の眼…万華鏡写輪眼だ」


イタチは何も言わずに、サソリの話に聴き入る。


蠍「"ただ無視されたのが悔しかった"……ずっと前、あいつはそう言った。確かに、あの時のお前はデイダラの芸術に、怯えず、驚嘆せず、動揺すら浮かべなかった。それがデイダラの目には、"無視された"と映ったんだな…」



―――…


泥「あいつもあの時と…っ……同じ眼してたんだ…っ、旦那っ…。
やっぱり、オイラ…まだイタチのことが許せてねぇみたいだ…っ、ゔん…っ」


―――…



デイダラをおぶって帰った道の途中、自分の背中で啜り泣く傷だらけの彼の姿がサソリの脳裏に思い浮かんだ。


蠍「デイダラはあの日のお前と同じものをサスケに見たんだ。あいつは人一倍負けず嫌いで、人一倍努力家な奴だ。今まで精一杯努力してた分、相当プライドもズタズタになっただろうと思う。だから…デイダラは自分の死でサスケを驚嘆させられるなら、命など惜しくないと思って"自爆"を選んだと、俺は思ってる」


サソリはしっかりとイタチの目を見据えた。


蠍「今回のサスケとの戦いの根底には、イタチ…お前がいた。いつもあいつの中に、お前の影があった」


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