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【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】

第20章 Dawn16.自尊と涙





デイダラは唇を噛み締めると、わずかに残る力を腕に込め、上半身を起こす。

全身が既に傷だらけの彼には、倒れ込んだ身体を起こすのにさえ痛みが走った。


蠍「…デイダラ……っ…」


その声に、デイダラはゆっくりと顔を上げる。


泥「!」


デイダラは思わず目を見開いた。

目の前の彼の瞳から透明な雫がこぼれ落ちている。

サソリは殴って赤くなった拳を握りしめ、涙をボロボロととめどなく流す。


蠍「ならてめーは俺の気持ちわかってんのか、デイダラ!?どんだけ心配したかわかってんのか…ッッ!?アァッ!!?」


デイダラは殴られた頬を押さえ、うつむいて何も言えなくなる。


蠍「何が究極芸術だ…!何が称賛だ…ッッ!!!そんなもんよりもっと大事なもんがあんだろ!!!!!!」


涙に濡れた怒号が響き渡った。


蠍「己の芸術だけに囚われて他が何も見えなくなるなら、芸術家なんて辞めちまえ!!!芸術ってのは、周囲のものに刺激されて初めて作品ができる!そこに己の意志を乗せてな!周りを見てねぇ奴が!一端の芸術家名乗ってんじゃねーぞッ!!」


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