第20章 Dawn１６.自尊と涙

泥｢何で来たんだよ…｣


デイダラはうつむきながら拳を握りしめ、小さな声で呟いた。

無表情のサソリは彼をただ見下ろすだけ。

すると、デイダラはバッと思い切り顔を上げてサソリを睨みつけた。


泥｢あいつにオイラの芸術を見せてやるとこだったのに！！！！！！
オイラは死んで"究極芸術"になって！今までに無い称賛を受けるとこだったのに！！！！！！
オイラの気持ちなんか何も知らないでーー…





何で止めたんだっつってんだこのクソがァアアアアアアアアッッーー…！！！！！！｣









ドカァアッッ！！！



サソリは上からデイダラを力いっぱい拳を振り下ろすように殴りつけた。

あまりの力に、デイダラの身体も地面に叩きつけられる。


蠍｢いい加減目ェ覚ませバカヤロー！！！！！！｣


サソリの怒鳴り声はデイダラよりも大きかった。


泥｢…ッ……！｣


口内に血の味がかすかに広がる。

唇の端に赤い血が滲んでいた。

殴られた頬も真っ赤に腫れている。


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