第20章 Dawn１６.自尊と涙

泥｢………サソリの…旦那…？｣


突如現れたのは、サソリだった。

彼は息を切らし、粘土を持っているデイダラの腕を痛いくらい強く掴んでいる。



ドンッ！！！



泥｢うぐッ！｣


急にサソリはデイダラの肩を力ずくで押さえると、デイダラの左胸の口に自分の手を思いっ切り突っ込んだ。


蠍｢く…っ｣


普通の歯よりも大きく、まるで全てが犬歯のような左胸の歯は噛むのを止めない。


泥｢放せッッ！！今からオイラは自爆するッッ！！！！！！放せ、クソがァアアアアアアアアーー…！！！！！！｣


見境なくジタバタ暴れるデイダラだが、体力も全く残っていない上に深傷を負っている。

デイダラは簡単にサソリの力にねじ伏せられ、完全に押さえ込まれる。


蠍｢…痛ッ……！｣


サソリは噛まれる痛みに堪えながら咀嚼された粘土を全て引きずり出した。

サソリの手首にはいくつも噛み痕があり、血が滲んでいる。


蠍｢…間に合った……｣


サソリは"ふぅ…"と息を吐き、立ち上がる。


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