【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第13章 Dawn11.芸術と約束-憧憬-
泥「オイラも…ッ、ここにいれば…」
蠍「バァカ…何言ってんだ…」
いつものように、サソリはバカにしたように嘲る。
蠍「お前のせい…なんかじゃねぇよ」
しかし、いつもの悪戯っぽい笑みではなく、優しい笑みだった。
デイダラは唇を噛み締め、下を向いてポロポロと涙を零す。
デイダラの涙に、サソリの心も共に涙を流す。
蠍「悪りぃ…な、デイダラ…。涙…出ねぇんだ…」
泥「サソリの旦那…っ、ちくしょうッ!!何でこんなことになったんだよ…っ。くそっ…くそ!!」
デイダラは暴言を吐きながらわんわん泣きじゃくる。
同じように慟哭したくなる衝動にかられても、傀儡のサソリは泣くことすらできなかった。
蠍「いいか、デイダラ…。俺は…もうじき動かなくなる…。その前に…お前にだけでも会えてよかった」
息絶え絶えに話すサソリに、デイダラは涙を拭い、それでもたくさん雫の溜まった瞳を向けた。
泥「動かねぇなんて言うなよ旦那…ッ!オイラが…オイラがなんとかするから…!」
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