第12章 Dawn１０.仲間と宝物

リンはただただ唖然としているだけ。

彼女にとって、イタチから打ち明けられた事実は絶対に信じられない程衝撃的だった。


聡明で――…

面倒見が良くて――…

本当にＳ級犯罪者なのかと思ってしまう程温かい時があって――…

言葉の裏や端々に隠れた優しさが垣間見える――…


そんなもう一人の兄のようなイタチが一族惨殺なんて、惨いことをするはずがない。


鈴｢嘘…ですよね…？だって、イタチさんはそんなこと…｣

鼬｢嘘ではない。お前も、俺の一族が滅亡した話は知っているだろう？理由はどうであれ、その日まで父も母も…恋人も…皆、俺を信用していた。だがそんな家族も仲間も…"殺した"という事実に変わりはない｣


リンもその夜の話は知っていた。

本当の事実だと悟ったリンはもう声すら出なかった。


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