第11章 Dawn９.過去と傷痕

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鈴｢ん…｣

小｢あ、やっと起きた！｣


何時間か寝てからようやくリンが目を覚ました。


鈴｢あれ…？｣


しかし、すぐに眠る前と違う服を着ていることに気付く。


小｢リンちゃんの服、汚れてたから洗っておいたの｣


小南は隣に座ってリンが元着ていた服を渡すと、今度は"起きたか"と言いながら長門がそばに来た。


長｢リンちゃん、これから君の兄を探しに行く。一緒に来てくれる？｣


それを聞いた瞬間、リンの表情がパアッと明るい顔になる。


鈴｢うん！｣


急いで支度をして外に出ると、雨がザアザアと音を立てて降っていた。

リンは長門から渡されたレインコートを着てフードを被り、小南と手を繋ぐ。


長｢じゃあ小南、リンちゃんを頼んだぞ｣


そう言って、長門は灰色の雨の中に消えた。

どうやら手分けして探すようだ。


鈴｢にいに見つかるかなぁ…？｣

小｢大丈夫。きっと見つかるわ｣


不安げな表情でうつむくリンを安心させようと、落ち着いた声で言う。


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