第28章 Dawn２３.神と世界-理想郷-

痛｢俺は間近で戦争を見てきたからよくわかる。戦争は失うだけで何も手にできはしない。そこにあるのはただ"痛み"だけだ。だが、お前たち大国は私利私欲に駆られ、その痛みには目もくれずにいくつもいくつも戦争を起こす。目の前にいるはずの民と忍に目を向けない。そのせいでどれだけ多くの人間を…どれだけ尊い命を…無下に奪い去っていったか、考えたことはあるか？｣


その声も身体も拳も、心なしか震えていた。

それは怒りからなのか、涙からなのかはわからない。



バサッ



ペインはコートの右袖を捲り上げて腕をナルトに見せつけた。


鳴｢これは…！｣


ナルトは唖然として、ペインの腕に釘付けになった。


痛｢これが俺たちの…戦争で大切なものを失った者の痛みの数だ！｣


その腕には無数の黒いピアス。

これは己が背負った痛みと、それに向き合うと誓った覚悟の証。


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