【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第27章 Dawn22.神と世界-桃源郷-
水「女の子には手を出しちゃいけないだろ…さすがにさ」
殴られたのは水月。
腕を振り上げられた瞬間、水月はとっさに香燐の前に出て身代わりになっていた。
香「す、水月…」
水「今回だけだからな、香燐」
水月はそう言うと、ゆっくり立ち上がった。
香「あ、ありがとうな…」
水月の頬もサスケと同じように赤く腫れていた。
「ダンゾウ様によって殺されるのは貴様らだ!それまで今後一切無駄口を叩くな!」
怒号が響くと、サスケは怒りと悔しさでギリッと歯を食いしばる。
「立て!」
サスケはロープをまた上にぐいぐい引っ張られ、無理矢理立たせられた。
そして、また歩き出す。
佐(…兄さん……)
サスケの頭の中に、あの夜の別れ際にイタチが流した最後の涙が映し出された。
それまで兄の涙を見たことなどなかったのに、あの時になって涙を見せた。
どんな思いであの涙を流したのだろう――…
そう考えると、胸が張り裂けそうになる。
そして、イタチにその悲痛な涙を流させた一人―…ダンゾウ。
佐(奴に殺されるのか…)
怒りを通り越して全身に虫酸が走った。
佐(兄さん……)
サスケは兄の笑顔を思い描きながら拳を握り締めた………
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