【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第26章 Dawn21.師匠と弟子
佐「重くても知らないからな」
イタチが笑顔で頷くと、サスケは兄の背中に乗った。
イタチは何事もないようにサスケをおぶって歩き出す。
鼬「だから大丈夫だと言っただろう?」
佐「嘘じゃなかったんだな。絶対無理だと思った」
兄の背中に乗って見る景色は違えど、歩く度に揺れるリズムは一緒だった。
あまりの懐かしさに、サスケは涙が出そうになる。
鼬「俺はそんなにひ弱じゃない。それにーー…」
イタチは少し悲しげに笑いながらうつむく。
サスケがイタチの肩から顔を覗き込むと、イタチは顔を上げて夜空を仰いだ。
鼬「もう嘘はつかない。お前にだけは…」
佐「!」
鼬「…約束だ」
イタチは少し振り返り、サスケに笑顔を向けた。
サスケもすぐににっこり笑って小さく頷く。
佐「兄さんは強いな…」
鼬「何か言ったか?」
佐「いや、何でもない」
不思議そうにしているイタチに、サスケは言葉を濁した。
――…兄さんは強い。
体術も忍術も俺より何倍も…遥かに強い。
だが、それ以上に強いのは"心"。
佐「………」
サスケは夜空を見上げた。
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