第26章 Dawn２１.師匠と弟子

佐｢ありがとう…兄さん｣

鼬｢本当に大丈夫か？サスケ｣

佐｢これくらい…どうと言うことはない｣


サスケは痛みで歪んだ顔から痩せ我慢して笑顔を作った。

そうして、イタチとサスケはアジトに向かって歩き出す。


佐｢……っ…｣


しかし、歩きながらもずっと脇腹を押さえているサスケ。

すると、イタチはゆっくり歩きながらサスケの背中に手を回し、脇腹をグッと押した。


佐｢痛っ…。押すな、兄さん…｣

鼬｢ひどいアザになってるかもしれない。ひどければ、肋骨にヒビが入ってそうだな…｣

佐｢別に…大したことない｣


サスケはそう言っているが、顔は歪んでいる。


鼬｢すまない、サスケ…。修業の感覚がいまいち思い出せなくてな。加減できてなかったようだ…｣

佐｢いや…平気だ。まだまだ俺も課題が見つかったしな…｣


サスケは柔らかい眼差しで遠く前を見ていた。


佐｢俺も兄さんみたいに強くならないと…｣


イタチは不思議そうにサスケの横顔を見る。

すると、サスケの顔がニコッとほころんだ。


佐｢兄さんは俺の憧れだ｣


イタチはサスケの笑顔を見ながら一瞬目を見開いた。

しかし、そんな笑顔の弟を見ていると、だんだん自然と顔に微笑みが浮かんでくる。

すると、イタチはサスケからゆっくり離れた。


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