第26章 Dawn２１.師匠と弟子

自｢！｣


その瞬間、術式の描かれた場所から巨大ザリガニが顔を出し、大量の泡を吹き出す。

自来也はそれをよけると、泡の届かない壁に立った。


自(教え子だけあってワシの弱点を突いてくる。油を洗い流す気だの)



ザバッ



一瞬にして泡風呂のようになった空間から、身体の油を落としきった小南が飛び出す。


畜｢小南、お前は下がっていろ｣


小南が言われた通り下がると、畜生道は両手をバッと広げた。


自｢！｣


すると、目の前の泡から先程の巨大ザリガニが姿を現した。


自｢乱獅子髪の術！！｣


自来也の白髪が更に長くなり、シュルルルとザリガニに巻き付く。

身動きが取れないザリガニはもがくことしかできない。

自来也は下駄をダンッと壁を踏み鳴らすと、バキバキと固い甲羅が折れ、ボフンと姿を消した。


畜｢！｣


息もつかぬ内にその髪は畜生道を捕えた。


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