第10章 お酒は程々に
桜を抱き締めるキヨの腕に力が入る。
キ「…桜…。」
『っ!』
耳元で名前を囁かれる。
あっヤバい。
『やぁっ、だめぇっ!』
私は、自分でも驚く程甘い声が出てしまった。
それを聞いたキヨもガタが外れた様に桜をソファーに倒し首元にキスをする。
『ひゃぁっ!ダメっ!』
キ「っはぁ、そんな可愛い声でっ鳴かれたら我慢出来ないっ!」
更に強く首元に吸い付く。
いくつもの赤い印を付け、首元から離れ桜の顔を見る。
キ「はぁ…はぁ…すっげぇ可愛い…。」
『っ!』
桜の顔に触れ徐々にキヨの顔が迫ってくる。
(どうしよう、このままじゃっ!)
桜がギュッと目を瞑る。
…どさ。
『えっ』
目を開けると桜に覆いかぶさった状態でキヨが寝落ちした。
『…。…っ!起きろバカ!』
バシバシ叩き起すが起きず、何とかキヨから離れ
『はぁはぁ、偉い目にあった…。』
桜は、急いで洗面所に行き鏡をみると、首にはいくつもの赤い印が付いていた。
『マジでか…初めてこんなの付けられたわ…。』
私は、これをどうしたらいいのか、どんな顔をしてキヨと接すれば良いのかを酔いが冷めない頭で考えた。