第13章 日常
先に口を開いたのは、キヨだった。
キ「桜。色々とごめんな…。俺最低な事しちゃって…。」
『…、うん。』
キ「俺さ、ヨシヤに桜とどうなりたい?って聞かれてさ、メッチャ考えたの。」
その時ドキっと心臓が跳ね上がった。
キ「メッチャ考えて、結局分かんなかった!」
『ふぇっ?』
思いもよらない答えに変な声が出てしまった。
キ「桜と、友達になりたいのか彼女にしたいのか、正直今の俺には、分かんない!でも、桜を誰かに取られるのは嫌だ!」
『なっ!何それっ!』
キ「自分でも我儘言ってるのは、分かってる!でも、桜と一緒に居るのが楽しいし、ゲームも上手いし、料理だって美味しいし、可愛いし、凄い人間嫌いな癖に、人一倍気遣いが出来て、ちゃんと周りの事見てて、そんな桜の事俺は大好きだ!」
『ちょっ待って!何言ってるか分からない!』
キ「俺も分かんない!でも自分の気持ちちゃんと伝えたくて!」
真っ直ぐ見つめられてどうしていいか分からない。
『っ!私は、人が嫌い!』
キ「うん。」
『でも、みんなと一緒にゲームしたり、話したりするのは初めて楽しいって思えたの…』
キ「うん。」
『キヨの事も、多分好きって思う気持ちってこう言う事なのかなって思うけど、その好きも異性としてなのか人としてなのか分からない…。』
キ「…。」
『もし、裏切られたらとか離れてちゃったらって思うと、耐えられない…。』
キヨは、静かに私の話を聞いてくれた。