第1章 ばったり
夜。
窓から外を眺めていたララ。
流れ星がひとつ、空から落ちてきた。
『あ、流れ星!』
そのとき、窓から誰かが侵入。
ばったり 鉢合わせ
(まずい…! 見られた!)
『…!? 不審者…! だれか…!』
声を上げようとしたララを、
うしろから片手で左手首を掴み、もう片方の手で口を封じる。
「悪いね、お嬢さん、
衛兵に見つかるとまずいから、大人しくしてくれると助かるんだけど」
廊下の外から、衛兵が明かりを持ってコツコツと歩いてくる音
机の背後に隠れるオビ
拍子にオビの手がララの口から外れる
『あなた、誰…?どうしてここに…?』
「…俺は裏稼業の者ですよ。ハルカ侯爵に雇われてね」
『ハルカ殿の?』
静かに問い返した ララ