第9章 風が吹く
疾風の速さで家に帰った実弥は、楓を抱いたまま、自身の部屋へ向かう。
楓「実弥くん、下ろしてってば。」
道中何度も言われたが、全て無視をした。抱き締めた楓の柔らかな体や甘い香りに、理性がガリガリと削られていく。
実弥は自室に着くと、畳の上に楓を押し倒した。
楓「、、、実弥くん、、、」
実弥を見上げる楓は、威勢のいい普段とは違い、恥ずかしそうに眉を下げ、赤い顔をしている。男心をくすぐるには十分だ。
楓「、、、実弥くん?、、、」
動かない実弥に、楓は問いかけるように名前を呼んだ。
実弥は楓の顔の横に肘をつくと、楓の唇を塞いだ。角度を変え、何度も何度も啄むように口付ける。
楓「、、、んっ、、、」
実弥が楓の唇を甘噛みする。早く開けろと、何度も噛みつかれる。楓が実弥を呼ぼうと唇を薄く開けた瞬間を逃さずに、実弥は楓の口の中に舌を侵入させた。
楓「、、、んんっ、、ん〜っ、、、」
楓が驚いて実弥の胸を叩くが、びくともしない。実弥の舌は器用に楓の舌を絡め取る。舌に歯を立てられたり、吸われたりと、やりたい放題だ。