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風が吹く【鬼滅の刃/不死川実弥】

第4章 粂野匡近


食堂の外に出ると、ずいぶん暗くなっていた。
「楓ちゃんはこの後どうするの?」
「帰りますよ。」
楓はさも当然のように答えた。それに異を唱えたのは男達だった。
「てめぇ、この暗闇の中帰ろうってのか。」
「危ないよ、楓ちゃん。鬼もそうだけど、女の子は暗い道は何があるかわからないよ。」
「いやいや、私普通の男性より強いですけど。」

「そういう問題じゃねぇ。」
「そういう問題じゃないよ。」

二人の声が重なる。楓は二人の剣幕に驚いてしまった。
「これから藤の花の家に行くから、一緒に行こう。明るくなってから帰ったらいいよ。」
(いやいやいや、どんだけ心配性なの)
楓は改めて断ろうと思い、口を開きかけた。楓の声が出るよりも早く、実弥が楓の腕を掴んだ。
「なんでもいい。とりあえず行くぞ。」
「そうそう、行こう。藤の花の家で双六でも借りようか?」
「旅行じゃねぇぞ。」
「少しくらいいいだろ。実弥は同年代と交流しないと。」
楓は実弥と粂野の声を聞きながら、引きずられていった。
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