第3章 鬼との遭遇
「私、足ね。」
楓は実弥に短くそう言うと、地面を蹴った。
「風の呼吸、陸ノ型、黒風烟嵐」
楓の技で鬼の左足が吹っ飛んだ。鬼がバランスを崩す。
「風の呼吸、弐ノ型、爪々・科戸風」
実弥の技で鬼の首が飛んだ。パラパラと鬼が崩れていく。
「、、、ごめんね。迷惑かけた。」
楓が実弥の後ろ姿に小さく声をかけた。実弥は振り返ると、ぐしゃぐしゃと楓の頭を撫でた。
「もぅ。髪の毛ぐしゃぐしゃにしないでよ。」
いつもより楓に勢いがない。ちょっと落ち込んでいるようだ。
こんな時どんな言葉をかけていいかわからず、実弥はさらに楓の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。