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【鬼灯の冷徹】君という花【R15】

第15章 初めての感情


ひんやりとした気配にゆっくりと意識が浮上してくる。
小さなくしゃみを一つする
いつの間にか眠っていたみたい。
達してからどれくらいの時間がたったのだろう?
素肌に触れる布団の感触が何時もと違って広く感じる

月明かりが静かに部屋に差し込んできている。

「・・・・・良い頃合いかな?」

全裸のまま布団から起き抜け自室に向かう
ひんやりとした空気に肩を縮こませて進む
少しカビ臭いけど慣れ親しんできた部屋に入る
此処に来た時に来ていた物に着替えて僅かながらの荷物を身につける

何故か急にラジオを聞きたくなってスイッチを入れる
こういう時ってドラマだと大抵主人公の心情を現したような失恋ソングとかが流れるのだけど、ラジオから聞こえるのは深夜番組特有のハイテンションな下ネタが聞こえるだけ
溜息を吐きながらスイッチを切る

「現実そう上手くは行かないもんだね。」

悲劇のヒロインなんて似合わないと判ってるのに、なんでこんなに・・・

「失恋ってこんな気持ちなんだ・・・」

寂しい
寂しいよ
でも、コレがお互いに幸せな道

「バイバイ、白澤。」


自室を出てお店の中を進み表に出る。
平和な桃源郷では玄関に鍵もないのでそのままそっと扉を閉め夜道を歩きだす。

今夜はどこに行こうかな?

とりあえず今夜は徹夜で遊び歩こう
そうしたらきっと新しい出会いがあるはずだから…

最後に一度だけ振り返って、建物に向かい一礼してからアタシは歩きだした
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