第15章 初めての感情
暫く布団に入ってると段々と温かくなって来てより高く貴方の匂いがする
「匂いと記憶」が密接な関係にあるって貴方が言ってたけど、ホントにそうだなって一人笑う
ああ、こんなに好きなんだアタシ
自覚してしまえば逆に清々しくて、さっきまでの女々しい気持ちはどこかに消えてしまった
なのに浮気はやめて、とか言う勇気はないってドンだけなんだよ。そう嘲笑する
考え始めたら切なくなってきて又布団に顔を埋める
ふと思い立って脱ぎ捨てたアタシの服を抱きしめてその匂いをかぐ
同じ石鹸を使ってる筈なのに全然違う香り
「少しだけ甘い感じ…?」
嗅ぎ比べてる内に記憶がよみがえってくる。それに従って右手が下に伸びて行く
―何時も優しく髪を撫でてくれて
茂みの奥はしっとりと濡れていて、そのままゆっくりと触れて行く
―耳たぶを甘噛みするのが好きで
思ったよりすんなりと指を受け止めたソコの熱さに羞恥心が上がってくる
―鎖骨に痕を良く付けてきて
とろとろに溶けた中を指先ですり上げると全身に熱が広がる
―ちょうどいいよ、って胸を揉んできて
入るだけの指を沈めて何時も貴方が触れてくるイイ所を探す
―イタズラにくすぐられた脇腹も
指が届かなくてもどかしくて、いとおしくて、くるおしい
―じらされて砕けた腰も
やっと届いて指先で激しく中を掻き乱せば蜜がシーツに零れる
―開発されて敏感な股関節も
溢れる声を唇を噛んで押さえ込み、開いた片手で布団を握りしめる
―キスの雨をもらった太腿も
快感に耐えきれなくて伸び切った足が震えても止めない、止められない
―貴方の首に絡めた足首も
目をつぶって記憶の中の貴方の声を、仕草を、全てを思い出す
―綺麗だね、って誉めてくれた足先
瞬間、真っ白い世界がはじけ飛んで・・・イってしまう
「…ぅ………っつ、あ…ふ……ンン!」
記憶の中の貴方はずっと変わらないでいて、ね?
そしてどうか貴方がこれからも笑っていられますように。