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【鬼灯の冷徹】君という花【R15】

第12章 もっと深くを


「あの、ね。やっぱりコレ恥ずかしいんだけど。」
「大丈夫大丈夫、いつもと雰囲気違うし誰も錦木だなんて思わないよ。」
あの後、話のうまい二人に言い包められ(ホントはもっと大人しいのにするつもりだったのに!)先程試着した服をお買い上げして、その格好のまま白澤と並んでアタシは衆合地獄を歩いている
接客用だと聞いてたから買ったのに・・・正直、今すぐにでも脱ぎたい
此処は花街。もし檎にでも見つかったら「人の噂も七十五日」じゃすまないし、ミキちゃんの兄弟だったら…もう目も当てられない
俯いて急かすように彼の手を引く
「そうだとしても、地獄に長居する訳行かないから?ただでさえ最近のゴタゴタで入り上げ落ちてきてんだし。」
「別に僕としては石榴ちゃんがその姿で働いてくれるだけでいいんだけど。あ、洋服買ってもらったお礼がしたいって言うなら今すぐソコの連れ込み宿にでも行きたいな。」
「…着替えだけならいいですy、うっプ」
時々振り返りながら喋っていたせいか目の前の何かに気付かずにぶつかってしまった。急いでいた事も相まって盛大にバランスを崩すも背中に支えが入って何とか転ばずに済んだ
「イタタ…ごめん、ありがと白t」
「出会い頭にぶつかってきた上にろくでなし色魔と勘違いですか、胸糞悪い。」
その声に背筋を冷やしながら見上げてみれば大変不快そうに此方を見下す鬼灯様がアタシを支えていました
そのまま首だけを回して辺りを見渡せば軽く眼が死んで血を吐きそうな白澤が
こりゃアタシにお使い頼む訳だわ。なんか今直感で分かった。
そう思い巡らせていれば
「何時まで寄りかかってるんですか…いい加減重いのでどいて下さい。」
そう言ってヒョイと体を起こされ支えを離された後、何故かじっと顔を覗きこまれた後
「…ああ、何方と思えば錦木さんですか。余りに可愛らしいので一瞬分かりませんでした。」
とトーンを押さえた小声で言われた。
「っ・・・?!!」
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