• テキストサイズ

【鬼灯の冷徹】君という花【R15】

第12章 もっと深くを


今アタシは洋品店の更衣室の中にいる
そして普段だったら絶ッ対に着ない服を片手に立ちすくんでいる
「どうしてこうなった…」
そう呟いて事の発端である彼をカーテン越しにじろりと睨んだ

三日目の日、例の人はお供に何人かの女性をひきつれてやってきた
「まずは僕が話すよ。」
と有無も言わさずお店の外に追い出されて小一時間。
白澤が何を話したか判らないけど彼女達は帰って行った。
「とりあえずは納得してもらったから。後は石榴ちゃんの頑張り次第かな?いつも通りの接客お願いね。」
そう笑って頭をポンポンと撫でて、その日は終わってしまった。
そのあと一週間もしないうちに来なくなってしまってアタシ目当てのお客さんの後押しもあって
「別に好きな服装でいいんじゃない?」
という事でお店に出る服装を女性物にする事に決めました。
これ以上嘘つくのもアレな気分だし、久しぶりにお化粧したら楽しかった。そう彼に伝えればニヤリと笑って私の両肩を掴み
「僕おススメのお店があるから行こう、今すぐに!」
言い終わらぬうちに引きずられる様に衆合地獄まで連れてこられ「いかにもそう云うお仕事の方向きの洋品店」に連れ込まれ、女性店員さんと白澤さんに勧められた服を抱えたまま更衣室へ押し込められたのだった。
・・・回想終わり

「まだ?僕そろそろ飽きてきちゃったから二階の下着コーナー見てきたいn」
「着た姿みたいって言ったのは誰だっけ?!」
バカなことをぬかす神獣を更衣室から首だけ出して静止させればちぇ、と口を曲げて女性定員を口説きに入った
「そもそもアタシこう言う服苦手なのに…ミキちゃんとかそういう背の低くてかわいい子だったら似合うけどさ。」
呆れて顔を引っ込めニーソに履き替える。これ位ならショーパンにも会わせて履くからそこまで恥ずかしくない
こんな様子を察したのか無駄にイケメンボイスでさわやかに
「絶対に似合うから!だから早く見せてごらんよ。」
だって!
丈の短いチャイナとフリルスカートに身を通す。足元が物足りなくて思わず身震いする。
大判の鏡の前で身支度を整え、カーテンを開く。
その音に白澤は談笑していた手を止めて此方を見つめる。
一瞬驚いたような顔をしてから優しい顔で
「やっぱり趣味に合った服を女の子が来てくれるのは嬉しいよ、シェイシェ。」

不覚にもその笑顔にときめいてしまった、何なんだよホント
/ 74ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp