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【鬼灯の冷徹】君という花【R15】

第1章 種はまかれた


それはいつもと同じように野草や育てている薬草、それから桃や果実の手入れをしている時の事だったね。
最近は仕事が忙しくて癪だけど地獄の方に求人だそうかなー、とか考えながら芝刈りしたり日々の業務に追われてたんだ。
最近は可愛い女の子のお使いとかも減ってきて、生活に癒しが足りないと思う。願わくばかわいい女の子がお店に来ますように!そう思っていれば見かけぬ赤栗毛の髪のまだ若い女性を畑の片隅に見つけて。ラッキーと思いながら声をかけたんだ。
正直捨てられたばかりの子猫みたいなオーラをだしてたからストレートに聞いてみたんだよね。ま、断られたらより軽いお願いをするつもりだったんだ。これ心理学的にも有効な手法なんだよね。「大きなお願いと断った後の小さなお願いをは断りにくい」ってやつなんだけどさ。
そんな事はさておき、好印象的な笑みを浮かべて話しかければ彼女は軽くつり上がった丸い瞳で此方をじっくりと眺めた後にイタズラ気味に片目を閉じて
「…石榴、ただの根無し草だよ。それでもあなたは歓迎するの?」
と色よい答えをくれたんだ!
コレを逃すのは勿体ない、より近くによって笑顔で話を続ける
「勿論!外にいるのも何だし、とりあえず家にお茶しにこない?」
すぐソコだから、と付け加えながら少し遠めに見える自宅の屋根を示せば彼女は立ち上がり軽く服の裾を払えばもう一つ桃をもいで
「それじゃあお邪魔するよ。アナタの作る果物すごく美味しいから…食べながらじっくり話したいな。」
そう言いながら残っていた桃の果肉をゆっくり噛んで飲み込んだ。
果汁に塗れた指が自然と目に付いた。
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