第4章 初 体 験(♡♡)
合宿終わり、現役のみんなは一旦高校に荷物を置きに帰るらしく、それならとOB・OGで焼肉を食べに行くことになった。リエーフは俺も行きたいと駄々をこねたが、これは仕方がない。
ちなみにお店はもちろん、食べ放題。じゃないとお腹ふくれない人達しかいないからね。このお店が破産しませんようにと願掛けしながらお店に入って席を案内されると、6人がけ。当たり前のように音駒と梟谷で分かれて座る男子共。
『ねぇこれわたしどっち?』
「こっちだろ?」
『うす……』
何言ってんだよ当たり前だろ、みたいな顔をしてるけどさ、黒尾はでかいから隣嫌なんだよね。あとたまには木兎と仲良くするのもいいかなとか思った。でもま、夜久の隣がいいな、可愛いし、見てるだけで癒されるから。そう思ったのに。
『なんでサンドイッチになるの!』
「真ん中なら柏木は肉焼きやすいし、
俺らは肉をたくさん食える、win-winだろ?」
『どこがじゃ』
謎理屈で真ん中に押し込まれた。解せぬのだが。
そうして、5人前単位で頼まれていく肉、焼いたそばから消えていく目の前の肉、空になったさら、新しい肉。カルビ、サガリ、大ライス、ハラミ、タン、ホルモン、おかわりライス、カルビ、タン、カルビ、カルビ…
まじで食う隙がない、本当にわたしの皿に肉来ない。はいチーズ、とか言って黒尾が5人の写真撮るけど、わたし絶対不機嫌な顔してるからね、だってお肉のいい匂いするのにお肉取れないんだもん。
自分の分焼いてるのに目離したら木兎か黒尾に取られるもん。なにこれ。いいし、別に、冷麺食べるもんね。そうして大食らい2人がトイレに行ったタイミングで、ようやくわたしのお肉タイム。
「柏木、まじ木兎ごめんな…」
『木葉が謝ることじゃないし、
なんとなく来る前から分かってたし』
まじごめん、とお肉を焼いてくれる木葉。ただのイケメンじゃんなんだよこいつ、なんでモテなかったん。
『ありがとう…牛タンが美味いです…』
「ほらこっちのサガりも美味いぞ食え食え」
『夜久ぅ…カロリー低い肉勧めてくれるの、
まじ絶対いい旦那になるよね確信してる…』
「彼氏飛ばして旦那かよ」