第5章 勉 強 会 と 夏 空
写真フォルダ、
笑う、向日葵の貴女。
リエーフと京治が角を曲がって姿が見えなくなって、ようやく手を下ろし、ふぅとため息をついた。
「リエーフ、敵意剥き出しすぎ...」
別に、何も無いんだけど。
わたしはちゃんとリエーフのこと好きだし、それは口に出してるし、どうしてああも男の子ってだけでみんなに噛み付くんだろう。
警戒心が無いとか隙が有るとかそんなこと言われたって、黒尾とは最悪なことに3年間クラスまで同じだったし、京治だって他校生ではあるけどしっかり者だから合宿の時は木兎より頼りにしてたし、普通に仲が良いだけなのに。
まぁ確かに、ゴールデンウィーク合宿の時の京治と月島くんは何かちょっと、怪しい感じはしたけど。それだって気の迷いというか、ちょっと歳上に憧れる時期って言うか。
実際、高校生の時は1個上とか2個上の先輩カッコよくて、わたしだって勝手にきゅんきゅんしてたし。
「なんだかなぁ...」
あれこれ考えながら自室に戻り、布団にダイブする。
今頃リエーフは京治に送ってもらってる頃、変に噛み付いたり逆らったりしてないといいけどなぁ。
「2個下って、けっこうお子ちゃま...」
いやいやいや、それでも優しいところはあるし一途だし、惹かれたのはわたしだし。リエーフのこと、大好きだし。手繋ぎたいし、ハグだってしたいし、ちゅーもしたいし、その先も、まぁ、うん。
捻挫から復帰すれば、またいつものバレー大好きなリエーフが帰ってきてくれるだろうし。そう、信じよう。
そうして、そのまま微睡みへと落ちていくのだった。
第5章 終