第1章 マジかよ!?プロデューサー?
この日はメンバーとのこれ以上の距離が縮まずに黙々と飲食して終わった。
「あのさ、お風呂はドプいう順番に入るのかな?」
俺が申し訳なさそうに聞くと國本が嫌そうにこう言った。
「おじさんは一番最後でしょ!」
「おじさんとはなんだよ~!俺はまだ20代だぞ。」
「何でもいいけど一番最後でお願いします。出たら呼びにいくんで。」
そんな嫌な顔しなくても・・・。そう思いながら洗面所で歯を磨いた。ああ、こうして女子達に挟まれて肩身の狭い思いするんだろうな~。
國本の言う通りに俺は結局一番最後に入浴した。
「洗濯物どうしよう?さすがに別々ってわけにもいかないし・・・ちょっと聞いてみるか~。」
俺は服に着替えてささっとドライヤーで髪の毛を乾かすと雪子の部屋に向かった。
コンコンとノックをする。
ガチャッとドアが開いて雪子が不貞腐れた顔で立っていた。
「何か用ですか?」
「そんな顔するなよ~。ちょっと聞きたいことがあっただけで。」
「プライベートの件に関しては事務所を通してください。」
「だからプライベートなことだけども。」
「ほら、やっぱり。」
「だからあの、洗濯物はどうする?」
俺がやっと本題に入ると雪子の顔が赤くなった。
「まさか一緒に洗うんですか?」
「じゃなきゃもったいないだろ~節水だよ。まだ君達は売れてもないんだし。洗濯物は君達で干してもらっていいからさ。」
「メンバーと話し合ってもいいですか?」
雪子が真剣な顔で俺に訴えてきたのでいいよと言ってあげた。
暫く、俺は自分の部屋に籠り、今後について考えていた。するとドアノックがしたのでベッドから起きてドアを開けた。
そこには雪子が立っていた。
「洗濯物はこっちで干して畳むので山本さんは一切触らないでください。」
「わかった。」
「では。」
バタン。
俺はドアが閉まったと暫くそこに立ち尽くしていた。
メンバーと距離を縮めることが今の課題になってしまった。
どうしよう・・・。