第13章 幸せすぎる無理難題と悲しすぎる別れの口火
けれどもその手はすぐに
バシッ
と杏寿郎さんの手によって払い除けられた。更にその後
「俺の鈴音を無意味に痛めつけるのはやめてもらいたい!」
「…っ…杏寿郎さん…!…力強いです…!」
杏寿郎さんは、私の身体を天元さんから隠すようにその腕に閉じ込めた。天元さんはそんな杏寿郎さんの行動に盛大に顔を歪めた後
「煉獄…お前まじ拗らせ過ぎ!こいつの何がそんなに良いってんだ!?お前といい嫁たちといい…俺にはちっともわかんねぇ!」
と言いながら頭を抱え出した。もちろん杏寿郎さんが天元さんのその発言をサラリと流してくれるはずもなく
「何を言っているんだ宇髄!?」
「…ゔっ…!」
私を抱きしめる力をさらに強め天元さんをじっと見据えながらその口を開いてしまう。
「鈴音の良いところなど、挙げようとすればいくらでもある!分析能力、観察能力、そして対応力!」
「お前そりゃ全部隊士としてじゃねぇか」
「そうだ!だがそんな彼女が普段はどうなると思う!?」
…あぁお願い…杏寿郎さん…どうかそのうるさい口を閉じて
そんな願いが通じるはずもなく、杏寿郎さんは意気揚々と喋り続ける。
「甘えるのを苦手としながらもたまに見せてくれる素直な姿!どれだけ可愛らしいかお前にはわかるまい!」
「はいはいそうですか。そんなに好きならただ囲ってるだけじゃなくてさっさと嫁にしちまえ」
…あぁ…天元さん…杏寿郎さんを煽るような事を言わないで
「俺とて早くそうしたいと思っている!だが俺は、鈴音が大切だからこそ鈴音の気持ちも尊重したい!宇髄!俺はどうしたらいい!?」
「なんで最後疑問形になってんだよ!俺が知るか!」