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音の溢れる世界でいつか【煉獄さん】【鬼滅の刃】

第8章 響かせろ、もっと遠くまで


もしかしたら放すのを拒否されるかもしれないと思ったものの、炎柱様はあっさりと私の手首を放してくれた。

意外にもあっさり手を離られた驚きで、私は思わず炎柱様の顔を見てしまう。パチリと目が合った炎柱様は


「あと少しだったんだがな…しかしここまでくればあと一歩!今度2人で会う時までに、心の準備を済ませておくといい」


すっと目を細めながらそう言った炎柱様は、”では鉄珍様のところに行こう!”と船頭をきり私を落いて歩きだしてしまう。


「…そんな準備…絶対にいらないんだから…」


炎柱様に聞こえないよう極小さな声でそう呟いた私は、ギュッと対服のズボンを握りしめ、羽織を揺らしながら歩く背中を見つめるのだった。










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「これが…私の日輪刀」

「そや。ええ感じやろ」

「…はい…とても」


鉄珍様の類まれなる技術で打ち直された私の日輪刀は、私の理想通りのそれになっていた。初日に手にした時も、”なんでこんなにも手に馴染むんだろう?”と思ったのにも関わらず、調整が済んだ日輪刀を改めて手に取った今、より私の手に馴染んでいるのだからとても不思議だ。


「二刀流か。よく見ると宇髄の刀とよく似ている」


宣言通りここまでついてきた炎柱様は、当たり前のように私が日輪刀を受け取る場に居合わせている。


「抜いてみ」

「…はい」


両手に持っていた日輪刀のうち左手に持っていたものを一度元の台の上に戻し、右手に持っている方の鞘から刀身を抜いた。

鞘を台の上に置き、手のひらの温度を移すようにギュッと両手で刀の柄を持つと

スゥー

と、私だけが持つそれへと刀身の様子を変えていく。

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