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Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》

第3章 ☆YOU ARE MINE.:京谷賢太郎



宮城県は仙台市、青葉城の史跡の近くに私の通う高校、青葉城西高校は建っている。県内でも上位の進学校でありながら、特に男子バレーボール部は強豪の中学である北川第一出身者も多く、日々レギュラー争いが繰り広げられている。


そんな男バレが私の部活である。インターハイ予選では惜しくも宿敵・白鳥沢にストレート負けしたが、3年生は全員引退せず、春高までやりきると残ってくれた。


そして、そんなマネージャーの朝は早い。


アラームより先に雀のさえずりで目覚めると、お弁当を詰め、身支度を整える。それから誰もいない部屋に“行ってきます”を告げて家の鍵を閉めるのが、だいたい6時半ぐらい。


『お、は、よ、う、っと』


行きがけに彼氏に朝の連絡をするのが日課。土日平日関係なく向こうもこの時間だっていうのは分かってるから、直ぐに既読がつく。


はよ


たった2文字、でもあの不器用なひとが顰め面をしながら送ってくれたと思うと嬉しくてたまらない。今日も今日とてスキップしそうになる足を抑えながら私は駅へ向かう。


そこから電車に揺られて20分ほど、ちょっと歩いて、高校に着くのはおよそ7時前である。今日も体育館からは早くに到着した部員たちの元気な掛け声と、ボールの弾む音が聞こえる。


『おっはよーございまーす!』


ドアを開ければ着替えて自主練習をしている面々が「はざーっす!」と挨拶を返してくれる。練習前の自主練、とはいえほぼ強制みたいな朝練は、みんな嫌がらずに参加しているからすごいと思う。


ただ、本当に練習に参加するために来ているかは分からない。ほら、言ったそばからその筆頭が私に気が付いてボールを放り投げてこっちに来る。


「陽菜乃ちゃんおっはよ、
 そろそろ乗り換える気になった?」


『及川さんおはようございます、
 全然なってません、お引き取り願います!』


「はっ、及川ザマァ」


「しっかし陽菜乃ちゃんも言うようになったわ、
 岩泉と松川もそう思うだろ?」


「「思う」」


「みんなヒドイ!」


朝からエンジン全開おふざけ満載の3年生の先輩たち。それを見ていた1,2年生も何をやっているんだとあつまってくる。


けど、その中に私の彼氏──京谷賢太郎──の姿は無い。


 
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