第4章 初めての仲間
「う~ん!いい天気だなァ~。」
ここは広い海の上でゆらゆらと揺れる小さなボートの上。のんびりと空を仰ぐのはルフィ。その横でのんきにもリンはお昼寝中だ。この二人、ただいま仲間集めの最中である。
「それにしても最初の航海はひとまず遭難ってことになるな!!」
このボートは今にも大渦に巻き込まれそうになっていた。
「リン起こしても起きねェしな~。俺泳げねェんだよな~。」
こんな大渦泳げても泳げなくてもおぼれるのは間違いない。それに気づいているのかいないのか。二人はボートもろとも大渦に飲まれて行った。
リンは体の痛さで目を覚ました。どこか狭いところに閉じ込められているようである。
『これは・・・、樽?なんでこんなものの中に。』
どうやら大きな樽の中にいるようだ。暗くて狭い樽の中はどこか落ち着く。・・・また眠くなってきた。
『近くにルフィの気配もあるし大丈夫だよね、見つけてもらえるまでもうひと眠りしよ。』
ほんとは自分で中から出ることはできるが、眠気に勝てずリンは夢の中に再びいざなわれていった。
「あのゴムゴムの実を食べたなんて驚きました。」
ルフィは海軍になりたいがアルビダから逃げ出せずにいたコビーと一緒にアルビダをやっつけ、小舟を一隻もらって海軍基地のある島を目指していた。
「でもルフィさん、ワンピースを目指すってことは偉大なる航路(グランドライン)へ入るってことですよね!!あそこは海賊の墓場ともいわれる場所で・・・。」
「うん、だから強い仲間がいるんだ。これから行く海軍基地につかまってるっていう・・・、ええと、ゾロってやつ。いいやつだったら仲間にしようと思って!」
「えー!!ムリですよ、ムリムリムリ!!野獣のような奴だって噂ですよ!!!」
「そんなのわかんねェだろー!」
「ムリ!!もう・・・。ところでルフィさん気になっていたんですが・・・。」
「ん?なんだ??」
コビーは小舟に唯一乗っている大きな樽を指さして首を傾げた。
「何でこの樽だけ乗せたんですか?」
「ああ!!そいつはおれの仲間だ!そうだ、忘れてた!!」
「ええー-!!!樽がですか!?」
ルフィは動揺しているコビーをおいて樽を開け始めた。