第17章 裏切りのステージ〜推理・解決〜
ーー貴方side
事件の真相とトリックが分かったとコナン君達が目暮警部に伝える。そして実際にやってみよう、という事でロープをスポットライトのバーに掛け、髙木刑事を遺体役としてロープで縛り椅子に座らせていた。
雪「1人で出来るんですか?」
安室「勿論ですよ」
松田「なら、お手並み拝見だな」
そうして安室さんのトリック解説が始まった。彼はロープに何個かの結び目を作り、それを座席にどんどん引っ掛けていく。そして完成したトリックの仕上げに園子ちゃんを指名した。どうやら余ったロープを引くと髙木刑事が持ち上がるらしい。
園子「どうせ私じゃ、持ち上がらないわよ!」
グイッ
髙木「えっ⁉︎」
園子「なんで⁉︎」
ロープを引くと髙木刑事が持ち上げられていた。どういう事かと驚く目暮警部達に安室さんは滑車の原理だと応えた。
雪「滑車の原理?」
沖矢「えぇ、ロープに作った輪が滑車の代わりとなって……」
と簡単に説明してくれた昴さん。そしてこの事件は1人の犯行だと安室さんは宣言する。そしてこのロープの結び目部分は輸送結びというらしい。主に運送業者が使う結び方だという。
雪「運送業者って……そうなるとマネージャーの円城さんがって事?」
私の言葉に全員が円城さんを見ると視線を浴びた彼女は固まっていた。そして吊り上げに使ったロープはどうなったのかと目暮警部に聞かれた安室さんはサクッと処理方法を説明した。
布施「でも運送業者に以前いたからって……それだけで疑うのか?」
コナン「足の大きさだよ」
犯行に使われ片づけられたロープについて、運送業者では足にロープを巻いてしまう事があると決定的な証拠を突きつけた。言い逃れが出来ないと分かった円城さんは俯き歩き出す。だが納得のいかない布施さんが引き止め、どうして殺害したのかと。すると安室さんが彼女に説明は出来ないと告げた。
雪「殺害が出来ない?」
安室「彼は自殺し、それを見つけた円城さんが偽装したんですよ」
その言葉でやっと口を開いた彼女。どうやらASACAという曲は波土さんと円城さんの産まれてくるはずだった子供に向けたもの。曲に中々歌詞を付ける事が出来ずに悩んだ彼は自殺してしまった。他殺に見せようとしたのは、元カノの子供が原因でこんな事になったと波土の家族に知られたくなった泣きながら話し、彼女はパトカーへと乗り込むのだった。