第7章 眠り姫に願いを込めて
ーー貴方side
目が覚めた私は今、ヒロさんが呼んでくれた陣平さん達に囲まれています。
松田「怪我は大丈夫か?」
雪「大丈夫ですよ」
伊達「いやー、無事に起きて良かった」
萩原「良かったよー、心配したんだからね!」
雪「あはは……心配かけてすみません」
苦笑いで謝ると研二さんが抱きしめてくる。いつもは照れてしまうが、今回は心配を掛けてしまったので抱きしめ返してみる。
萩原「えっと……」
雪「……心配掛けたので」
萩原「ゆ、雪ちゃん! 俺、君の事が……///」
さらに強く抱きしめて来た研二さんが何か言おうとすると、陣平さんが抱き合う私を強引に離した。
松田「いつまでそうしてんだ」
萩原「良いじゃん別に、羨ましいなら陣平ちゃんも抱きしめたら?」
松田「はぁ⁉︎ おまっ……何言ってんだ!」
2人のやり取りを見て小さく笑う。今まで静かにしていた零さんが近付いて来て騒がしくて悪いと言ってきた。
雪「そう言えば……事件はどうなったんですか?」
降谷「あぁ、それなら……」
と、言い合っていた陣平さんと研二さんに零さんが声を掛け事件について話すように促してくれた。どうやら私が渡した紙の暗号をコナン君が解き、爆弾解除と犯人も無事に捕まったと教えてくれた。
萩原「でも逃げた犯人を殴るのはね……」
雪「……殴ったんですか?」
萩原「そう、痛そうだったよ犯人」
松田「正当防衛だ、それに雪に怪我負わせた分」
だから問題はない、と言っていたがそれは良いのだろうか? 犯人が捕まった事は良かったので陣平さんの件は一旦置いておく事にした。
降谷「雪の退院っていつだ?」
桜井(諸)「明日かな目も覚めたし」
松田「なら退院したら2人で飯行くか、雪のお陰で解決した所もあるしな」
雪「ほ、本当ですか! ぜひ行きたいです♪」
目をキラキラさせながら返事をすると陣平さんは分かった、と頭を撫でてくれた。
萩原「なら俺も頑張ったから奢ってね、陣平ちゃん」
降谷「お前達だけだと心配だから僕もついていく」
桜井(諸)「いやいや、彼女は俺と家でゆっくり過ごすから」
急に言い争いを始めた4人にどうしたのかと首を傾げると伊達さんが
伊達「気にするな、雪が大切にされてるって事だから」
雪「? 分かりました」
こうして私の長いようで短い眠りは幕を閉じました。