第46章 彼女への想い
ーー貴方side
これは、昨日の事だ。
立野「俺がしたのは正義なんです」
そう言い放ったのは、立野巡査。彼はある殺人事件を起こし、コナン君の推理によって分かった犯人で私の兄とも知り合いだった。
雪「正義……ですか」
立野「そうです。あいつを野放しには出来なかった」
私は立野巡査に聞き返すと、どうやら殺害された被害者はお多くの人の弱みを握りお金を譲っていたという。立野巡査もその1人であり、これ以上の被害者を産まないために犯行に及んだと話す。
立野「正義の名の下に、裁きを下したんです!」
その言葉にコナン君や目暮警部達、その場にいた全ての人が驚きや鋭い視線を向ける中、立野巡査は言葉を続けた。
立野「そう、守沢さん……君の兄の様に多くの人を救ったんだ!」
松田「……ってめえ‼︎」
伊達「松田、落ち着け!」
萩原「そうだよ陣平ちゃん、殴っちゃダメだ」
無茶苦茶な事を言う立野巡査の発言に目暮警部達は驚きと怒りを顔に浮かべ、陣平さんは怒りで殴り掛かろうとした所を航さんと研二さんに止められていた。そしてコナン君も小五郎さんの影に隠れていたが怒りを露わにしていた。
立野「君の兄の死の様に俺は……っ⁉︎」
パァンッ
全員「!?」
雪「……ないで……」
兄と同じく正義を全うしたと話す立野巡査に私は近づき頬を平手打ちした。その場の全員が驚き目を丸くする。そして私は震える声で喋ったが聞こえていなかった様で立野巡査は打たれた頬を押さえながら首を傾げていた。
雪「……兄の死は正義感からじゃない、一緒にしないで‼︎」
涙を堪えながらそう叫ぶ。多くの人を救った兄だったが、それは犯人の罠によって起きてしまった事。
雪「兄と貴方は……全く違う‼︎」
松田「……雪」
雪「っ⁉︎……ごめん、なさい……」
陣平さんに声を掛けられその場にいた全員が私の方に視線が集中していた事に気付く。そして、その視線に気付き私はハッとして小さく謝るとこの場から立ち去った。
蘭「雪!」
松田・萩原「「雪!/雪ちゃん!」」
背後から陣平さん達の声が聞こえたが、振り返えらずに走った。