第2章 いってきます
雪「ん〜……朝かぁ……」
朝の6時、まだ寝たい。気だるい体を何とか起こし部屋のカーテンを開ける。すると、扉が開き声を掛けられる。
?「おはよう雪……眠そうだね?」
雪「ふわぁ〜……眠い」
?「顔洗っておいで、朝ご飯の準備出来てるから」
言われた通り顔を洗い、学校に行く準備をする。着替え終わり机の上に置いてある写真に向かって挨拶する。
おはよう。
お父さん、お兄ちゃん。
部屋を出た私はキッチンに立っている男性に改めて挨拶をする。
雪「ヒロさん、おはよう!」
彼は“諸伏景光”さん。黒の組織という組織に潜入していたがスパイだった人。潜入している事がバレてしまい自決しようとした所を中学生だった私が偶然見かけ助けた。その後、死んだ事になった彼と私は一緒に暮らしている。因みに、死んだ事になっている為、外では”桜井和人”と言う名前で生活してます。
ヒロさんと呼ぶのは家の中だけ。そう呼んで欲しいと言われたけど……どうしてだろ?
諸伏「おはよう雪、目は覚めたか?」
雪「はい! もうバッチリ♪」
諸伏「そうか、じゃあ朝ご飯にしよう」
向かい合うように椅子に座りご飯を食べ始める。
諸伏「あ、今日はバイトだったよね」
雪「はい、放課後から」
諸伏「じゃあ、迎えに行くから終わったら連絡して」
1人で帰ると言っても、危ないからねと言われてしまい受け入れるしかない。
雪「ヒロさんって過保護ですよね……」
諸伏「そんな事ないさ。あ、時間は大丈夫?」
そう言われて時計を見る。そろそろ家を出ないと遅刻してしまう時間。私は急いでご飯を食べて玄関へ向かいドアを開けた。
雪「いってきまーす!」
後ろから、いってらっしゃいとヒロさんに言われながら私は学校へ向かった。