第25章 銀翼の奇術師〜プロローグ〜
ーーコナンside
コナン「もうゲームは終わりにしようぜ、コソ泥さん」
とあるビルの屋上、俺は目の前に立っている警備員に降参しろと告げる。
?「そうだな、君と隠れんぼするには……日が暮れ過ぎたよ」
そう言いながら自分の服を引っ張り、警備服から白のタキシード姿へと変わり服に着いたマントはひらひらと風に靡いていた。
キッド「……探偵くん」
コナン「フッ……」
彼の名は怪盗キッド、俺の宿命のライバルだ。
事の始まりは、小五郎の叔父さんに相談しに来た依頼人。彼女は小五郎に1枚の手紙を渡した。
小五郎「これがキッドからの予告状ですか」
樹里「はい、今朝マンションのベランダに予告状と赤い薔薇の花束が置かれていて」
相談内容はキッドからの予告状、送られて来た人物は舞台女優の牧樹里さんという人でマネージャー共に相談しに来たと言う。そして、送られてきた内容は次の通りだ。
『Romeo
Juliet
Victor
Bravo!
26の文字が飛び交う中
“運命の宝石”を
いただきに参上する
怪盗キッド』
読み上げた叔父さんは腕を組んで考えだす。蘭が出したお茶を一口飲んだ樹里さんは、分かりますかと聞いてきた。
小五郎「うーん、この運命の宝石とは……」
樹里「あぁ、それならコレの事です」
そう言って見せてくれたのは綺麗な指輪。スターサファイヤと言われる、信頼・希望・運命を示す三本の線が入った指輪。
小五郎「見事なもんですな」
樹里「ブルーサファイアをこのなく愛したジョセフィーヌに因んで今回の舞台でも使用しています」
舞台とは劇場"そら"でジョセフィーヌという劇をしているらしい。この作品のジョセフィーヌとはナポレオンの最初の王妃で薔薇のコレクターとしても有名である。
樹里「そうよ坊や、よく知ってるわね!」
小五郎「つまんねえ事ばっかり知ってるんですよ」
そして、キッドの予告状について繰り返し読み上げながら考え始めた叔父さんは何かに気付き樹里さんに質問した。
小五郎「劇場そらでロミオとジュリエットの公演はありましたか?」
樹里「えぇ、私は出ていませんが」
こけら落としでロミオとジュリエットが行われたと応えた樹里さんに謎が解けたと立ち上がる。