第14章 ほらね!
「ちょっと、売り上げ金の入金や振込で銀行いってきますね。」
これを言ったのが間違いだった。
この一言でフラグを立ててしまったに違いない。
黙って行けばよかった。
いや、どっちにしろ巻き込まれてたよね。
「本物だ…」
目の前には店長さんを銃を突きつけて女性の銀行員にお金を金庫から取ってくるよう指示している。
これがコナンの世界か…!
よもや自分が巻き込まれるとは思っても見なかった。
果たしてこれはコナンくんたち誰かがいるのだろうか?と、チラチラと周りを見渡したが、それらしき人物は見当たらない。
ぜったいコナンくんか蘭ちゃんか誰かいると思ったんだけど。
ドンっ!
シュッと私の髪の毛で横に風の音がした。
「ぎゃっっ!!」
「っっきゃーーーー!!」
男性の苦しむ声が聞こえ、そのあと人々の叫び声が響いた。
「お前!携帯で何かしようとしたな!!!」
「ぐっ……」
後ろを振り向くと、胸から血を流しその場で倒れているスーツの男性。
先程携帯は強盗たちに回収されたから、この人は2台持っていて、どこかに連絡取ろうとしていたのだろう。
ドンドンっ!!
銀行強盗のリーダーらしき人は2発天井に向かって拳銃を撃ち、私たち人質を黙らせた。
「ふざけた真似するなよ!!お前ら!こいつはみせしめだ!何かしたら次はこいつのように容赦なく撃つからな!」
はぁ…はぁ…
息が荒くなる。
怖い…。
後ろの男性はもうピクリとも動かなくなった。
人が…目の前で死んだ。
ここにはコナンくんは居ないの?
こんな時誰かが犠牲になる前に助けてくれるんじゃないの?
それともこれはまったく物語には出てこない、この世界での日常なの?
男性の血が広がって、私の手元まできた。
ぴちゃり…
「あた…たかい…」
これが、この世界の日常ーー…。