第13章 傘
今日は私は休みだった。
特にする事もなく、自分の買い物のついでにポアロの必要なものも買い出しに行くことにした。
いつもの百均メガネ。髪の毛は簡単に後ろで結び、ジーパンに無地の黒いニット。
うむ。今日も無事地味だっ!
近くのスーパーに行き、買い物をしているとジーパンのスマホが震えた。
表示を見ると梓さんだ。
「はーい、何かあったー?」
今日は安室さんと二人でシフトの日のはずだ。
「めぐみちゃーん。また…」
「え?まさかまた?」
「そのまさかでーす。」
「「安室さんが早退。」」
ぷっと吹き出した。
「いいよ、今買い出し終わりそうだから、一回家に寄ってそっち行くね。」
「ごめんねー、休みの日に。」
「暇してたから平気。ちょっと待っててね。」
「はーい!」
電話を切り、私はレジに向かった。
安室さんの早退はいつものことだ。
また何か事件でも起きたのだろう。まぁ仕方ない。
安室さんのおかげでどこかで誰かが救われているんだと思えば、急な仕事の呼び出しだって気にならなくなった。
裏口から入ると、店内は結構人が入っていた。
急いで準備をして、私もオモテにまわった。
「お待たせ、梓さん。」
「あーん、ありがとう!」
バタバタと忙しそうな梓さん。
私も注文の伝票をみて、出来そうなことから始めた。
店内が落ち着いたところで、私は梓さんにそっとアイスコーヒーを出してあげた。
「お疲れ様、梓さん。」
「ありがとう!」
「今日は安室さんは何で早退なの?」
「なんかー、さっき大尉がお店来て…」
「あー、あの猫ちゃん?」
「そうそう。大尉の首輪にレシートが引っかかってたの。」
その紙のことや冷たかったことを安室さんに伝えると怖い顔して早退を告げ、走っていってしまったのだという。
「何なんだろうね。」
安室さんにはそれを聞いただけで何か気づいたことがあるんだろうか。
梓さんと二人で考えてみた。
「まず、英語の意味わかんないよね。なんだっけ?」
「えっと…corpseだったかな。」
梓さんに言われスマホで調べてみた。
「死体…だって。」
「え!?そんな意味だったの!?」
「でも、それだけでどことか全然わかんないよね…」
「ね。」
「「探偵って不思議」」
そういって、二人でまた吹き出した。