第127章 ぬくもり
「あのね…赤井さんのことだけど。私が言ったんじゃなくて、気づかれちゃったの…。」
「…?」
「私が組織を知ってるってバレて、私が組織の人間ではないのかって怪しんでFBIの力で私のことを調べたの…それで…もしかして、戸籍のないこの世のものじゃないのかって。」
「…ちっ、めぐみのことを勝手に調べたのか。」
「…だからその…いいわけじゃないけど…降谷さんより赤井さんを優先して彼に相談したってわけじゃないの。だから…そんなに怒らないで…?」
「…ただ……僕より先にあいつが知ってたってのが気に食わないだけだよ。それに、やっぱり相談して欲しかってって思う。」
降谷さんは布団から起き上がり、服を着始めたので、私もそれに見習った。
布団も綺麗に戻し、降谷さんはベッドの端に座ったので、私も彼の横に座った。
「言いにくい環境だったんだろうけど、1人で抱えて辛い思いをめぐみがしていたんだと思うと、どうしても、そう思ってしまう。………めぐみ?」
「はい。」
「僕の恋人になれないって言ったのは、そのせい?」
「…。」
「元の世界に帰るから、僕の恋人になれないのか?僕が君を失ったら耐えられないって言ったから…。」
「この世界に来た時みたいに、またいつか私は元の世界に戻って、この世界から急に消えていなくなってしまうかもしれないーー…。」
「…。」
「そう思ったら、言えなかった。」
私はぐっと涙を我慢しながら、声を震わせ言った。
「大切な人たちを失った貴方に…、いつか消えるかもしれないのに、恋人にしてってーー…言えなかった。」
「ーー…そうか。」
「でもね?」
「ん?」
膝の上にあった降谷さんの手に上から自分の手を重ねて、彼の目を見つめた。
「こっちに来た原因を調べて、帰る方法もわかった後、私はこっちの世界に残って、貴方に改めて『恋人にしてください』って言うつもりだったんだよ。」
「…めぐみ。」
「貴方の前から急に消えたりしないんだと、確証が欲しかったの。」
降谷さんは私に手を伸ばし、ぎゅっと抱きしめた。