第127章 ぬくもり
降谷さんが部屋から出て行ったので、私はマスターや孝臣さんにしばらく身を隠すことを連絡した。
事情を話すわけにはいかないからストーカーに狙われていると言うことにした。
「ごめんね、梓さん…。ちゃんと挨拶もせず辞めちゃって。」
『ストーカー問題が解決したら帰ってくるんだよね?』
「うん、その予定だよ。安室さんはまだお仕事続けるから。」
『めぐみちゃんは私たちのこと気にせず、安室さんにしっかりストーカー退治してもらうんだよ!』
電話の向こうの梓さんはいつもと変わらず元気いっぱいで何となく安心した。
「ありがとう。どこにいるとか連絡とかしばらく誰にも言わず身を隠してるから、またこっちから連絡する。」
『無理しないでね。また帰ってきてね!』
「うん。」
電話を切ってベッドにゆっくり腰掛けた。
コナンくんにも知らせないと。
ーー降谷さんを交えて会って話したいな。
異世界の人間だとコナンくんも知っていると降谷さんにも話して、お互い知っていることを話せばきっと何か糸口があるんじゃないだろうか。
私は考えたって何も推理とかできないし…
ベッドから立ち上がり、私はリビングに向かった。
部屋を出た瞬間とてもいい匂いがした。
匂いの方に向かうと、キッチンにはエプロンをつけた降谷さんが立っていた。
鼻歌交じりに何か料理を作っているようだ。
「あ、めぐみ。連絡はできた?」
「うん、マスター達にはしたよ。みんな心配してくれて、ポアロや家のことは気にしなくていいって。」
「そう。よかったね。めぐみと同棲1日目ってことで、さっき買い物してきて晩御飯作ってるんだ。」
「…同棲……。」
…響きが!恥ずかしいっ!
「ど、同棲はともかく!料理楽しみ、ありがとう。」
何か手伝おうと降谷さんの横に立った。
ボウルとかの洗い物があったので、それを洗いながら私は横の降谷さんをチラリと見た。
「あのね?」
「ん?」
「実はコナンくんは知ってるの。私が異世界の人間だって。」
降谷さんの肩がピクリと動いた。