第120章 園子さま
お揃い…。
確かに恋人同士ならそんな楽しみもあったのか。
安室さんが何を着るのか聞けばよかった。
「安室さんが何の服を用意してるのかまだ聞いてないの。でも、お揃いは絶対ないかな。」
「なんで?」
コナンくんに言われて、私は手を膝に置き、視線を合わせた。
「私が婦警さんのコスプレするからだよ。」
流石に安室さんは本職の格好をしてくることはないだろう。
「あー、そっか。」
コナンくんも納得したようで、頷いた。
「あ、そうだ。そのことで当日の午前中とかに飾り付けを豪華にしようかと思ってるんだけど、よかったらお手伝いお願い出来ないかな?」
私が言うと、蘭ちゃんは困ったような表情になった。
「ごめんなさい、私、園子が京極さんへのプレゼントを買いに行くの付き添う約束してて…」
「じゃあ、そっちを優先してあげて!」
「そっか、飾り付けとかありますよね。どうしよう。」
オロオロとする蘭ちゃんに私は肩に手を置いた。
「大丈夫、コナンくんは暇でしょ?」
「うん!僕やるよ!」
「それに子供達にも手伝ってもらおうと思ってるから。京極さんへのプレゼントは重要だよ?」
行ってあげて。と、蘭ちゃんに言うと安心したように笑った。
「じゃあ、飾り付けはコナンくん達にお願いするね。すみませんめぐみさん。」
「気にしないで。飾り付け自体は今もうお店の中は、少しずつやってるしね。」
ハロウィンが近づくにつれて、ちょこちょことカウンターにジャックオーランタンの置き物を置いたり、窓にコウモリのシールを貼ったりしていたのだ。
「楽しみですね。」
「うん。じゃあ、私仕事戻るね。コナンくん、子供達に飾り付けのこと伝えといてくれる?」
「うん、わかった!」
私は二人に別れを告げ、お店の中に戻った。
中でハロウィンの期間限定で提供しているパンプキンタルトを梓さんがオーブンで焼いているところだった。
「良い匂いだねー。」
「ありがとう。今少し聞こえてきたんだけど、安室さんとお揃いなの?」
「ううん、お揃いにはならないって話してたの。」
「なーんだ。二人で警察官とか絶対似合うと思ったのに。」
「安室さんなら似合いそうだよね。」
絶対着ないだろうけど…と。思いながら私はバックヤードに道具を片付けに戻った。