第119章 のんびりと
のんびりとした1日。
私は一人でカウンター内でぼーっとしていた。
あれから風見さんも退院して、今は普段通りの生活に戻ったそうだ。
薬の成分の調査は難航しているそうで、もう少し時間がかかるらしい。
製薬会社と国際指名手配犯の男はやはり繋がっていたそうではあるが、決定的な証拠もなく、製薬会社もとても慎重らしく、FBIの捜査は進んでいないらしい。…というより、公安も捜査しているから、邪魔をされているみたい。
赤井さんは担当が違うから聞いた話だけみたいだけど、降谷さんもあまりこの捜査には関与してないようだった。
公安は公安でも捜査員はたくさんいるんだもんな。
全部降谷さんがやってたら体がいくつあっても足りないや。
カップの茶渋も全部綺麗にしたし…、次は何しようかなって考えていたら来客を告げる鐘が鳴った。
「いらっしゃいませ。」
「こんにちは。」
「あれ、貴方はーー。」
「お久しぶりです。」
FBIの方だ。たしか…
「キャメルさん。」
「近くに来たので、コーヒーを飲みたくなって…」
「どうぞどうぞ!ソファ席にしますか?カウンターにします?」
「…えっと、じゃあカウンターで。」
手を後頭部に置き、少し照れた様子でキャメルさんが中へと入ってきた。
カウンター端に、メニューを置き促した。
「あっ…あのぉ。」
「はい?」
「今日は彼は…」
「あ、安室さん?」
やっぱり彼がいると嫌なのかな。
FBIともう少し仲良くなってもいいと思うんだけどな。
「僕がいると、その…」
「落ち着きません?大丈夫ですよ。私がいますから。」
「よかった。じゃあとりあえずアメリカンを。」
「はい、かしこまりました。」
静かな店内。
コーヒーを淹れていく音だけが聞こえた。