第113章 序章
赤井さんの昔の話を聞きながら、うとうとといつの間にか眠ってしまっていた。
たった数時間だったけれど、話を聞いていたからかいい夢を見たような、なんだか少し幸せな気持ちになれた。
赤井さんは寝たのか寝てないのかわからないけれど、朝目を開けたら、横で既に携帯を操作していた。
「起きたか。昨日遅かったから眠り足りないんじゃないか。」
「ううん、起きる。ありがとう。」
服も何もかもそのままだ。
「シャワー借りてもいいですか?」
「あぁ、以前君がきた時の荷物がまだ新一くんの部屋に纏めて置いてあるはずだ。」
「コナンくんの部屋?ありがとう。」
「……。」
私は赤井さんの部屋を出て、コナンくんの部屋で紙袋の中の以前哀ちゃんがまとめて買ってきてくれた着替え一式を持つと、シャワーを借りた。
シャワーから出てリビングにいくと、赤井さんがコーヒーを淹れてくれていた。
「先にありがとう。」
「あぁ、俺も浴びてくるよ。」
「勝手にキッチン借りていいですか?」
「構わない。」
「喫茶店仕込みのサンドイッチでもいいですか?」
「じゃあ、頼むよ。」
「了解した。」
赤井さんのモノマネしながら返事をすると、笑いながらタバコの火を消し、リビングから出ていった。
「坊やはすぐに来るそうだ。」
今日は休日で私も仕事がお休みなのは本当にタイミングが良かった。
こんなに早くに会えるのは助かる。
「良かった。」
「…先程、新一くんの部屋をめぐみは『コナンくんの部屋』と言っていたな。」
「…え?言ったかな…?」
「知ってるのか。」
「…この前お話しした時に。」
「そうか。」
私がコナンくんのことを漫画を読んで知っていたとあまり言わない方がいいかと思って、それはコナンくんと私だけの秘密にすることになった。それは前にコナンくんと決めたことだ。
説明が大変だから、聞かれない限り言わないようにしようと。