第112章 寂しさを
真剣な表情で、ローラさんを見つめる降谷さんの顔が忘れられない。
胸が痛い。
「私がいなくならないって証明して、初めて降谷さんに告白しようって思ってるのに、その時彼に他の女性がいたんなら意味ないじゃない。」
仕事が終わって、一人。
何もない部屋でベッドに膝を立てて座り、先程の光景をぐるぐると何度も思い出してはため息をついていた。
ぐっと、我慢していた涙が出てきてしまいそうだ。
「寂しいなぁ……」
ポツリと言葉に出した瞬間、決壊が崩壊したかのように、ぼろぼろと涙が出てきた。
なんで、この世界に私はいるんだろう。
もう、誰も私を好きでいてくれないなら、向こうの世界に帰りたいーー…
「うっ…ぐすっ…」
ブーブー
私の横に置いたあった携帯が鳴った。
画面を見ると、登録していない番号。
だけど、覚えている番号だった。
「…もしもし。」
「めぐみか、久しぶりだな。」
「ーー…赤井さん。」
優しい赤井さんの声が耳に響いた。
「…何かあったんだな。そちらに向かう。家か?」
「…だ、大丈夫っ!ごめん、ちょっとホームシックというか、なんか…泣きたくなっただけ。大丈夫…」
「めぐみ。」
電話越しでも私が泣いていたことに気付いた赤井さんは、諭すように低い声で名前を呼んだ。
「話したいこともある。迎えにいく。」
最後にそれだけ言うと、私の返事も待たずに電話を切った。