第110章 誘拐
違う組織の薬ーー…。
黒の組織とは関係なかったのか。
「一応灰原にもそんな薬の開発があったのか聞いておくよ。」
淡々と話を進めてくれるコナンくん。
私の突拍子のない話でも疑っていないようだった。
「…そんなすぐ信じてくれるとは思わなかった。」
「なんで?めぐみさん嘘つくメリットないよね?」
コナンくん…。
傷心の私にとって、コナンくんの言葉はすごく心に沁みた。
「めぐみさんが何の薬でこっちに来たのかというのと、まためぐみさんが元いた場所に帰る条件がわかればいいんだけどな。」
「条件…?」
「急に前触れもなく帰ってしまうのか、それとも薬を飲んだら帰っていくのか。もし後者なら飲まなければいい話でしょ?」
「…うん?」
どういうこと?
何がいい話なの?
「わかんない?めぐみさんが薬さえ飲まなければ、急に姿を消すことがなくなるってこと。別に安室さんから離れなくてもいいんだよ。」
ドクンっと心臓が跳ねた。
私が元の世界に戻る条件ーー…
彼の前から急に姿を消して、辛い思いをさせないとわかれば、私はまた彼のそばにいられるーー?
じゃあ、私が飲んだ薬を作った組織がわかればいいってこと?
「問題はめぐみさんに薬を飲ませた組織がこっちの世界にもいるかどうかだよ。だって、めぐみさんは向こうの世界で飲まされたんでしょ?」
「ねぇ。そろそろ頭パンクしそう。よくわかんなくなってきた。」
「……。よく安室さんと付き合えたね。」
「そんな話しないもん。」
はぁ。っとため息をついてコナンくんは小さなローテーブルに肘をついた。
「僕でも色々調べとくよ。」
「私は何すればいい?」
「んー、ちょっと待ってて。灰原に聞いてみるよ。めぐみさんのこと、話さない方がいい?」
「…わかんない。リスクないなら…いいと思うけど。今まで誰も言わなかったのはリスクかどうかもわからなかったから…ずっと沈黙を守ってたの。」
「そうかー。うーん、灰原には言ってもいいと思う。めぐみさんも灰原のこと知ってるわけだし。話しやすいんじゃない?」
「おまかせしてもいい?」
「任せて。」